不動産を売却するには、どのくらいの期間が必要なのでしょうか?
一般的には「3~4ヶ月程度が目安」と言われることが多いですが、実際はケースバイケースです。
このページでは、元不動産営業マンが「売却する期間」について語りたいと思います。
3~4ヶ月の内訳
「3~4ヶ月」の時間の内訳は、以下の通りになります。
査定
↓ 約1週間
媒介契約後、売却活動開始
↓ 約3ヶ月
売買契約締結
↓ 約1~1.5ヶ月
決済・引渡し
しかし、あくまで目安であり、全員に当てはまるわけではありません。
物件の状況や売主の状況、買主の状況などによって大きく変わってきます。
なので、おおよそどのくらいの時間がかかりそうなのか、その仕組みを理解しておきましょう。
「査定」から「媒介契約・売却活動開始」まで
「査定」から「媒介契約・売却活動開始までは、1週間程度かかります。
不動産を売却するには、まずは査定をしてもらいます。
営業マンが物件を見たり、過去の取引事例を調べたりして、査定額を決定します。
そして、売主に報告して納得がいけば、媒介契約を締結して売却活動開始です。
もし、査定を複数の業者に依頼する場合は、1~2週間程度みていたほうがいいでしょう。
査定額は、3ヶ月以内に売れるであろう価格を提示
査定額は、3ヶ月以内に売れるであろう価格を提示する業者が多いです。
しかし、なかには依頼を受けたいがために、査定額をわざと高くする業者がいます。
相場より高ければ売却活動をしても売れないため、後々値下げ交渉をしてくるでしょう。
そのようなことをしていたら、売却活動の期間が長くなってしまいます。
早く売却するには、査定を複数の不動産業者に依頼し、業者どうしを比較してみましょう。
そして、それぞれの業者に査定額の根拠を聞いてみましょう。
また、どのような売却活動をするかによっても変わってきますので、予め聞いておきましょう。
「売却活動開始」から「売買契約締結」まで
3ヶ月以内に売れるであろう価格で売却活動を開始したとしても、数日で売れる物件もあれば、数ヵ月後に売れる物件もあります。
価格を下げれば早く売れる確率は高くなりますが、少しでも高く売りたいものですよね。
ひとまず3ヶ月間は同じ価格で反応をみてみましょう。
価格を下げる以外にも、ちょっとしたことですが売れやすくする方法はあります。
一戸建てやマンションであれば、室内の清掃をして清潔にしておくと、印象がよくなり売れやすくなります。
また、照明をつけて明るくしておくのも印象がよくなります。
「売買契約」から「決済・引渡し」まで
「売買契約」から「決済・引渡し」までの期間は、買主の支払い方法によって違ってきます。
支払い方法は、一般的に「住宅ローン」と「現金」の2通りがあります。
住宅ローンの場合
住宅ローンの場合は、1~1.5ヶ月ほど時間がかかります。
流れとしては、まず仮審査に通ってから売買契約を締結し、それから本審査に入ります。
本審査の結果ができるまで、3~4週間程度かかります。
本審査に通ってから決済・引渡しの段取りをしますので、合計して1~1.5ヶ月程度の時間がかかります。
現金の場合
支払い方法が現金の場合は、売主と買主、不動産業者、司法書士の都合が合い次第、決済・引渡しを行えます。
なかには、売買契約と同時に決済・引渡しを行うこともあります。
住宅ローンよりも現金の方が、期間を短くすることができます。
決済・引渡しの予定日を決めるのに時間がかかるケースも
「決済・引渡し」では、買主から現金を受け取り、それから司法書士が法務局で所有権移転登記を行います。
1日で終わる作業にはなりますが、その予定日を決めるのに時間がかかるケースがあります。
決済・引渡しは、法務局が開いている平日に行わなければなりません。
もし、売主と買主がサラリーマンで土日が休みの場合は、平日に休みをとらなければいけません。
なかなか休みがとれない場合は、予定日を決めるのに時間がかかったります。
安くてもいいから早く売却したいなら「買取」
不動産を売却する方法は、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。
「仲介」とは、今まで説明したような不動産業者が仲介して買主に売却するといった、一般的な方法です。
それに対して「買取」は、不動産業者などの買取り業者に、直接売却する方法です。
仲介のように売却活動をする必要がなく、業者なので住宅ローンもありません。
なので、1ヶ月以内に売却することが可能です。この方法が最も早いです。
しかし、大きなデメリットがあります。
それは、売却価格が仲介の6割~7割程度になることです。
買取られた物件は、リフォームなどの付加価値をつけて、再販されます。
買取り業者は、安く買取らないと利益が出ないため、相場の6~7割で買取ります。
以上、「不動産を売却するには、どのくらいの期間が必要なの?」でした。
参考になれば幸いです。