こんにちは!不動産ハッカーの管理人です。
不動産の賃貸営業をしていたころ、鍵の受け渡しについて、お客様から下記のような要望を受けることが多かったです。
「鍵を入居日前に受け取って、荷物を少しずつ運びたい。掃除をしたい。寸法を測りたい。」
「鍵を入居日の前日に受け取って、入居日当日の朝から引っ越したい。」
そこで今回は、鍵の受け渡しについて、詳しくお話しさせていただきます。
何も知らずに行動をしてしまうと、思わぬ賠償責任を負う可能性があるため、要注意です。
それではまいります!
1.鍵の受け渡しは原則いつなの?
鍵の受け渡しは、原則として入居日(契約開始日)以降になります。
よく「入居日前に鍵を受け取りたい」との要望がありますが、入居日前に鍵を渡すことはリスクがあるため、基本的には避けていました。
なぜなら、入居日前はまだ火災保険がきいていない状態だからです。
通常、火災保険の保険開始日は入居日からになっています。
もし、入居日前に鍵の受け渡しを行い、入居者が荷物を運んで、そこで下記のようなトラブルを起こしてしまうと大変なことになります。
- ストーブの消し忘れでボヤを起こし、壁や床が焼損した。
- 洗濯機のホースが外れて部屋中が水浸しになり、床を汚損させた。
この場合、入居者は大家さんに対して多額の賠償責任を負うことになります。
入居日以降(保険開始日以降)であれば補償の対象になりますが、入居日前(保険開始日前)であれば保険がきかないため、自己負担になります。
このように、入居日前に部屋に入ることは、大家さんにとっても入居者にとってもリスクがありますから、原則として鍵を渡すことができないのです。
2.例外として入居日前に渡すこともある。
鍵の受け渡しは、原則としては入居日以降になりますが、不動産会社によっては入居日の前日に渡すところもあります。
また、入居前に鍵をどうしても受け取りたい理由がある場合は、不動産会社に相談すれば前日に渡してくれるケースもあります。
やむを得ない事情がある場合は、不動産会社に相談してみましょう。
ただ、入居日前に鍵を受け取ったとしても、借りるお部屋には火災保険がきいていない状態です。
部屋に入ったり掃除をしたり荷物を運んだりは、自分の身を守るためにもやめときましょう。
3.手続きに不備があれば鍵を渡してもらえない。
賃貸住宅を借りるには、基本的に、入居日前までに契約金の支払いや必要書類の提出を済ませておく必要があります。
不備があれば、鍵を渡してもらえない可能性がありますので、注意しましょう。
参考までに、一般的に必要書類には下記のものがあります。
- 賃貸借契約書・重要事項説明書の記名・押印
- 入居者全員の住民票
- 連帯保証人の印鑑証明
- 火災保険の申込書
- 保証会社の申込書
入居日前までにどうしても間に合わない場合は、不動産会社に相談してみましょう。
厳しい不動産会社ではれば無理でしょうが、融通の利く不動産会社であれば、相談に乗ってくれるでしょう。
経験上では、契約金の支払いがなければ無理ですが、書類の不備であれば念書(証拠になるよう念のために書き記す書面)に記名・押印してもらい、後日提出してもらうこともありました。
4.引越し日はいつがベスト?
鍵の受け渡し方法は、基本的に不動産会社の営業時間中に店舗に取りに行くケースが多いです。
もしくは、営業マンと現地で待ち合わせをし、受け取るケースもあります。
不動産会社の営業時間は朝9:00~11:00頃からのところが多いため、引越しは時間指定ができるのであれば、午後以降がいいでしょう。
時間指定ができない場合は、翌日に引っ越しした方が余裕がありますし安心でもあります。
ちなみに、入居日に必ず引っ越ししなければならないわけではありません。
引越しのタイミングは自分で決めてOKです。
まとめ
今回は、鍵の受け渡しについてお話しさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
繰り返しになりますが、鍵の受け渡しは、原則として入居日以降になります。
例外として、不動産会社によっては入居日前に渡すところもあります。
また、何かやむを得ない事情があり不動産会社の許可がでれば、入居日前に渡してもらえるケースもあります。
ただ、火災保険がきいていない状態なので、お部屋のなかに入ることはやめておきましょう。
以上、参考になれば幸いです。