不動産を売却する際には、印鑑証明が必ず必要になります。
不動産業者を通して売却する場合は、営業マンから持ってくるように言われるはずです。
では、なぜ印鑑証明が必要なのでしょうか?
このページでは、元不動産営業マンが「印鑑証明が必要な理由」について、語りたいと思います。
印鑑証明を使うのは2回
不動産を売却する流れのなかで、印鑑証明を使うのは「売買契約」のときと、「決済・引渡し」のときです。
では、順番に詳しく見ていきましょう。
売買契約のとき
一般的な売買契約では、印鑑証明を買主に見せて、売主であることを確認していただくために使います。
方法としては、売主が売買契約書に実印を押して、印鑑証明と照らし合わせます。
そうすることによって、売主本人が売買契約書に署名捺印したことを確認できます。
そして、買主は詐欺など合わずに、安心して取引ができるようになります。
買主に見せるために使いますので、提出する必要はありません。
「必ず必要」なわけではない
実は、売買契約で印鑑証明が必ず必要なわけではありません。
本人確認であれば、権利証(もしくは登記識別情報)や、運転免許などの身分証明証でもできます。
また、売買契約書は、実印でなければならない規定はどこにもありません。
認印を押したとしても、法的な効力は同じです。
もし認印を押す場合には、印鑑証明があっても意味がないわけですから、不要となります。
不動産業者によって、必要な場合と不要な場合がある。
不動産業者によって売買契約のやり方が違いますので、印鑑証明が必要な場合と不要な場合があります。
したがって、その不動産業者の支持に従いましょう。
もし「持ってきてください」と言われた場合には、その理由を聞いてみるといいでしょう。
私が勤めていた不動産会社では、売主様には実印を持ってきていただくように言っていました。
買主が確認できるようにという理由もありましたが、重要な取引であるとの「意識」を高めていただくためでもありました。
なぜなら、認印よりも実印の方が、心理的に意識が高まるからです。
決済・引渡しのとき
決済・引渡しのときは、売買契約のときと違って、印鑑証明が必ず必要になります。
決済・引渡しでは、まず、買主から売買代金を受け取ります。
それを司法書士が確認した後、法務局に行って所有権移転登記をします。
その際、申請書類に印鑑証明を必ず添付しなければならないルールになっています。
発行から3ヶ月以内の印鑑証明が必要となります。
以上、「不動産の売買で、売主に印鑑証明が必要な2つの理由」でした。
参考になれば幸いです。