不動産を売却する際、購入希望者から必ずと言っていいほど「売却する理由」を聞かれます。
購入希望者としては、「なぜ売りに出しているのか？」を判断基準の一つとしている方が多いです。
売却理由には、「良い印象を与えるもの」と「悪い印象を与えるもの」があります。
このページでは、元不動産営業マンが「売却理由」について語りたいと思います。
まずは、売却理由で「良い印象を与えるもの」と「悪い印象を与えるもの」を分類しました。
良い印象を与える売却理由
- 転勤するから
- 新築を建てるから
- 「両親」、もしくは「子供達」と同居するから
- 子供が成長して狭くなったから
- 子供が独立して広すぎるから
- 相続したけど、いらないから
これらの理由は縁起が悪いわけでもなく、何かトラブルがあったわけでもありません。
前向きな理由で引越しするわけですから、購入希望者に良い印象を与えます。
マイナスの印象を与える売却理由
- 離婚したから
- 住宅ローンが返済できないから
- 近所とのトラブルがあったから
- 環境が悪いから
- 家に欠陥があるから
- 事件（自殺など）があったから
これらの理由は、縁起に関わるものや、近所とのトラブル、家のトラブルなので、悪い印象を与えます。
では、もっと詳しく見ていきましょう。
住宅ローンが返済できないから
この売却理由は、「縁起が悪い」と思われる方もいますが、気にしない方の方が多いです。
競売物件はこの理由が当てはまることが多いですが、次々に売却されています。
離婚したから
離婚は、なかには「縁起が悪い」と思われる方もいますが、気にしない方も多いです。
離婚はよくあることであり、相場で売却することができます。
近所とのトラブルがあったから
例えば、隣の家の方と、騒音問題でもめたなどが、これに当てはまります。
環境が悪いから
例えば、飛行機の騒音や、近くの工場からの異臭がするなどが、これに当てはまります。
家に欠陥があるから
例えば、雨漏りやシロアリ、主要な木部の腐敗、給排水設備の故障などです。
言わなければ告知義務違反となり、後々で契約解除や損害賠償となる可能性があります。
事件（自殺など）があったから
家のなかで自殺が合った場合などです。
言わなければ告知義務違反となり、後々で契約解除や損害賠償の対象となります。
正直に言うことが一番
悪い印象を与える売却理由は、価格が下がったり売れなかったりする原因になるので、言いたくないものです。
しかし、後でトラブルになって裁判へと発展する可能性がありますので、予め正直に言うべきです。
裁判にはお金と時間がかかり、その代償は大きなものとなります。
ただ、「言うべきこと」と「言わないでいいこと」がありますので、その辺は不動産業者に相談しましょう。
正直に話して、売却できた例
近隣との騒音トラブルがあった物件
以前、騒音トラブルがあった中古マンションを売却したときの話です。
売主いわく、最初は問題なかったそうですが、下階の方が「物音がうるさい」と言ってくるようになったそうです。
もうクレームはこりごりとのことで、売却を決意されました。
購入希望者へは売却理由は正直に伝えましたが、「特に気にしないから」との理由で、売買契約が成立しました。
悪い印象を与える売却理由でも、人によっては、まったく気にしなかったりします。
自殺があった物件
以前、室内で首吊り自殺があった賃貸アパートを売却したときの話です。
売主としては、「首吊りがあったし、築年数も古いから売却したい」とのことでした。
相場よりも価格を下げて売却活動をしてみると、投資家が購入しました。
「大規模なリフォームをして、宿がなく困っている方に貸したい」とのことでした。
以上、「不動産を売却する理由は正直に伝えることがメリットになる？」でした。
参考になれば幸いです。
