計算方法のイメージ写真

こんにちは!
不動産ハッカーの管理人です。

賃貸住宅を借りるときは、一般的に敷金や礼金、火災保険料、鍵交換費用、仲介手数料などといった諸費用がかかります。

諸費用の項目は、その地域の慣行や不動産会社によって様々です。
なかには、「家賃保証料」や「消毒料」などがあるケースもあります。

では、一体これらの諸費用って、どのような意味があるのでしょうか?

このページでは、元不動産営業マンが、諸費用について語らせていただきます。

例として、家賃50,000円のお部屋を借りた場合

例として、以下の条件の賃貸物件を、9月1日から借りるとします。

  • 家賃:50,000円
  • 敷金:3ヶ月分
  • 礼金:2ヶ月分

諸費用は、その地域の慣行や不動産業者によって異なりますが、一般的に以下のような諸費用が必要となってきます。
あくまでも、例としてご覧になられてください。

  • 9月分家賃:50,000円
  • 敷金:150,000円
  • 礼金:100,000円
  • 火災保険料:15,000円(1年契約)
  • 家賃保証料:25,000円(初回のみ)
  • 鍵交換費用:15,750円
  • 消毒料:15,750円
  • 仲介手数料:54,000円

合計すると、425,500円になります。結構大きな金額になりますよね。

では、これらの項目を一つ一つ見ていきましょう。

9月分家賃

家賃は、前払いで支払うのが一般的です。

9月1日から借りるのであれば、9月分の家賃は8月末までに支払うことが一般的です。したがって、諸経費に含まれます。

月の途中から借りる場合は、日割り計算となるケースが多いです。

例えば、8月20日からだと、8月20~31日分の日割り家賃に加えて、9月分を支払わなければなりません。この取り決めは、不動産会社によって異なります。

敷金

敷金とは、部屋を借りた人が支払うべきお金を支払わないときの為に、あらかじめ大家さんが預かっておくお金です。

例えば、家賃を支払わなかった場合や、不注意により壊した扉の修理費用を支払わない場合、大家さんは敷金から精算することができます。敷金は、大家さんにとって保証金のようなものです。

法律では、借りた人に落ち度が無ければ、大家さんは敷金を返金しなければなりません。しかし、現実では、退去した後のリフォーム代にあてる為に返金せず、トラブルになるケースが多いです。

最近では、このトラブルを事前に防ぐ為、契約書に「実費精算」「敷引き」などといった特約が書かれていることが多いです。

  • 実費精算:「敷金からリフォーム代などを差し引いて、残ったお金を返金します。」といった内容。
  • 敷引き:「預かった敷金3ヶ月分のうち、2ヶ月分を差し引き、1ヶ月分だけ返金します。」といった内容。

契約する前に、敷金の精算方法を、よく確認するようにしましょう。

ただ、契約書に特約があったとしても、借りた人に対して不利な内容や、ガイドラインに反する内容であれば、特約が無効になり、借りた人に有利になるケースがあります。この話をしだすと長くなりますので、この辺でやめときます。

礼金

礼金とは、大家さんに対して「部屋を貸してくれて、ありがとう!」という感謝の気持ちを込めて渡すお礼金です。

戦後の日本は、焼け野原で住む家が無い状況でした。そんななか、家を貸してくれる大家さんに対して、感謝の気持ちを込めてお金を包んだのが始まりだと言われています。

戦後と現在では状況が異なりますが、現在でもそれが慣行となっています。ただ、礼金はあるところもあれば無いところもあり、その地域によって異なります。

礼金は、お礼として渡すものなので、返ってこないお金となります。

火災保険料

賃貸住宅を借りるには、火災保険に加入することが条件となっている物件がほとんどです。なぜなら、火災保険には、借家人賠償責任補償という補償が含まれおり、この補償が大家さんにとって必要だからです。

例えばですが、入居者の不注意でアパートが火事になったとしましょう。

入居者には原状回復義務があるので、元通りに戻さないといけません。そうしないと、大家さんは損害を被ることになります。

こういうときに役立つのが、借家人賠償責任補償です。入居者がお金を持っていなくても、借家人賠償責任補償が補償してくれますので、大家さんは安心です。

だから、賃貸住宅を借りる際には、火災保険への加入が条件となるわけです。

また、その他にも、家財を補償してくれる役割もあります。

火災保険は、必ずしも不動産会社が提供する保険に入らないといけないわけではありません。他に加入したい保険会社がある場合は、不動産会社に相談してみましょう。そうすれば、金額が安くなる可能性だってあります。

金額は、保険会社や借りる人の家族構成によって異なってきます。相場は、単身者の場合は、2年契約で1~2万円ほどです。

家賃保証料

家賃保証料は、入居者が保証会社に加入する費用となります。では、この保証会社とは何なのか。

もし、家賃の支払いを滞納した場合、保証会社が立て替えて、大家さんに支払います。そして、保証会社が入居者から取り立てます。

理屈から言えば、家賃保証料は大家さんが負担するべき費用のように思えますよね。しかし、入居者に保証会社に加入してもらい、その費用は入居者が負担する仕組みになっています。

これにより、大家さん、もしくは管理会社は、家賃が滞納されても保証されているし、取り立てしなくていいので楽チンです。だから、加入を条件としてる物件があるのです。

金額は、保証会社によって様々です。初回のみ家賃の50%としている保証会社もあれば、数年ごとに更新しなければいけないところもあります。

鍵交換費用

鍵交換費用は、その名の通り、鍵を交換する費用となります。必須の不動産会社が多いですが、全ての不動産会社が必須としているわけではなく、任意のところもあります。

いずれにしろ、鍵交換は行うことをオススメします。

もし、交換していない場合、前の入居者が鍵を全て返却していなければ、部屋に入ることが出来ます。安心して住むためにも、鍵交換は行いましょう。

金額は不動産会社によって様々ですが、相場は1万円~2万円です。

大抵、不動産会社が鍵屋さんに依頼するケースが多いです。だから、費用が少し高めとなっています。

消毒料

消毒料とは、入居前にお部屋を消毒する費用になります。消毒料の有無は不動産会社により異なっており、あるところもあれば、無いところもあります。

消毒をする理由は、借りる人にとって虫を殺したりするメリットもありますが、一番の理由は、不動産会社が儲ける為です。

法律的には、大家さんも借りる人も、消毒をする義務はありません。あくまで借りる人の「任意」となります。

不動産会社は、当たり前のように消毒料を見積もりに入れているケースがありますが、必要ない場合は断りましょう。見積もりから外してくれるケースは多々あります。

ただ、消毒をすることが部屋を借りる為の条件となっている場合は、必須となります。拒否すれば、部屋を借りることが出来なくなります。

金額は不動産会社によって様々ですが、相場は1万円~2万円です。

仲介手数料

仲介手数料とは、仲介をしてくれた不動産会社に支払う手数料になります。

支払う金額は「家賃の1ヶ月分+消費税」が一般的ですが、最近では「家賃の半額」や「0円」のところも増えてきました。

不動産会社は、この仲介手数料を受け取るために、日々仕事を頑張っています。

 

以上、「賃貸物件の諸費用」でした。

不動産会社によって諸費用は異なりますが、参考になれば幸いです。