売買と賃貸の違いのイメージ写真

賃貸住宅を少しでも良い条件で借りる為には、どのようにして交渉したらいいのでしょうか?

また、何が交渉できて、何が交渉できないのでしょうか。

このページでは、元不動産営業マンの私が、少しでも良い条件で借りる為の交渉術をご紹介させていただきます。

仲介会社ではなく、管理会社を選ぶ

仲介会社よりも管理会社の方が、交渉と融通がききやすいからです。

賃貸物件を取り扱っている不動産会社には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 仲介会社(全国に店舗がある大手不動産会社など)
  • 管理会社(その地域に密着した「町の不動産屋さん」など)

不動産業界は、賃貸物件を不動産会社同士で紹介し合えるシステムになっています。

大元の管理会社へ直接交渉したほうが交渉しやすいし、融通がききやすいことは確かです。

仲介会社と管理会社の見分け方

では、その不動産会社が仲介会社なのか、それとも管理会社なのかを、どのように見分けたらいいのでしょうか?

取引対応を確認する

インターネットで賃貸物件をみてみると、取引態様という項目があります。これが、「専任媒介」や「貸主」、「代理」となっていれば、管理会社の可能性が高いです。

また、仲介会社は「仲介」や「媒介」、「一般媒介」と表示していますが、管理会社もそのように表示している場合もあります。その媒体(サイトなど)によって表示形式が異なるので、正確性はありません。参考程度にしましょう。

現地に行って調べる

賃貸物件の現地に行けば、何かしら管理会社の情報があるケースが多いです。例えば、壁に「入居者募集中」の看板があったり、エントランスの掲示板に「お知らせ」のような張り紙があったりします。

もし、賃貸物件の住所が分からない場合は、その物件を紹介している不動産会社に問い合わせてみましょう。複数の不動産会社が紹介している場合は、「町の不動産屋さん」っぽいところに問い合わせるようにします。

「事前に外観を見てみたいので」など、適当な理由を言うといいでしょう。

もし、住所を教えてくれない場合は、不動産会社に出向いたら教えてくれるはずです。

それか、少しいやらしい方法になりますが、営業マンに「管理会社はどこですか?」と聞いてみます。「何故ですか?」と言われれば、「以前、ある管理会社の対応が悪かったので・・・」などと、適当な理由を言います。

基本的に、管理会社を教えてくれない不動産会社は、仲介会社です。すこまでするかどうかは、あなた次第ですが・・・。

 

交渉

家賃や敷金など、交渉するだけなら1円もかかりませんので、嫌がられない程度で、交渉してみましょう!無理な場合は無理なので、そのときは引き下がりましょう。

基本的には、前の入居者が退去したばかりの物件や、アパートで一部屋しか空室が無い物件は、交渉は難しいでしょう。人気物件の可能性が高いからです。

逆に、しばらく空室が続いている物件や、アパートが何室も空いている物件は、交渉できる可能性が高くなります。

家賃

家賃の交渉は物件にもよりますが、1,000円くらいの交渉は出来る可能性があります。

営業マンの前で迷っている振りをして、駄目もとで「安くなったら契約する」みたいな駆け引きをするのも一つの手です。

敷金

敷金は、予め大家さんに預けておく保証金のようなものです。交渉することによって、最初の諸経費を抑えることが出来ます。

「敷金5ヶ月分のところを、4ヶ月分にしてくれ」くらいなら出来ると思いますが、「敷金が1ヶ月のところを0ヶ月にしてくれ」は難しいと思います。

礼金

礼金は、大家さんに「部屋を貸してくれてありがとう!」と言う意味合いのお礼金です。基本的に交渉は難しいかもしれません。

火災保険料

火災保険の加入は、入居するための条件となっている物件がほとんどです。

不動産会社が提供する保険に入るのが一般的ですが、補償内容が借主にあった内容とは限りません。したがって、内容を確認し、プランを見直してみましょう。

大家さんにとっては、「借家人賠償責任補償」というものが必要になります。これは、入居者の不注意により火事になってしまった場合に、大家さんに対して補償してくれる保険です。

借家人賠償責任補償は削れないと思いますが、それ以外の補償があれば、それを見直してみましょう。例えば、家財保険が500万円になっているところを300万円にするなどです。保険料が安くなる可能性があります。

また、不動産業者に相談してみて、自分で安い火災保険に加入してもOKなら、そのようにするのも一つの手です。

家賃保証料

家賃保証とは、保証会社に加入する為の費用です。もし、家賃を滞納した場合は、保証会社が立て替えて大家さんに支払います。そして、保証会社が借主に取りたてを行う仕組みです。

金額の交渉は基本的に聞いたことがありません。保証会社が提示する金額を支払うこととなります。

ただ、連帯保証人をつければ保証会社に加入しなくてもいいケースもあります。その辺は、不動産会社に相談してみましょう。

鍵交換費用

鍵は、安心して入居するためにも交換することをオススメします。前の入居者が合鍵を作っていた場合、部屋に侵入される可能性があります。

もし、前の入居者が使っていた鍵のままでいい場合は、不動産会社に相談してみましょう。交渉できる可能性はあります。オススメはしませんが。

消毒料

消毒をすることは、あくまでも義務ではなく任意です。「虫などを殺してくれる」などのメリットがありますが、消毒の一番の目的は、不動産会社が設ける為です。

必要無い場合は、「消毒をしなくていいのですが・・・」と交渉してみましょう。拒まれて部屋を借りれない場合もありますが、消毒をしなくてすむことも多々あります。

仲介手数料

仲介手数料の金額は、あらかじめ不動産会社によって決められています。「家賃の1ヶ月分」のところもあれば、「家賃の半額」や「0円」のところもあります。

「これ以上安くしてくれ」などの交渉は、基本的に難しいと思います。

ちなみに、仲介手数料の額は、宅建業法という法律により、上限が決められています。「家賃の1ヶ月分+消費税」の金額以上を請求されることはありません。もし請求されたら、法律違反です。

 

以上、簡単ではありますが、「賃貸住宅を少しでも良い条件で借りる為の交渉術」でした。

参考になれば幸いです!