一戸建てやマンションなどの不動産の売買では、土地と建物の価格を合わせて一括で売買されることが多いです。
しかし、税金の関係から、土地と建物の価格を按分しなければならない場合があります。
では、どのようにして按分したらいいのでしょうか?
このページでは、元不動産営業マンが「土地と建物を按分する5つの方法」を、語りたいと思います。
国税庁の見解
まずはじめに、国税庁のホームページを見ると、按分方法に決まりがないことが分かります。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6301_qa.htm
なので、計算方法によって建物の価格が変わり、税金も変わってくる可能性があります。
実際、税務署に対して根拠を説明できれば、そのまま認められる場合が多いようです。
したがって、客観的な裏づけのある数字を用いて、按分するようにしましょう。
では、土地と建物を按分する方法を5つご紹介させていただきます。
1.契約書をみる
契約書に、土地と建物の価格が別々に書かれている場合は、それに従います。
2.消費税から割り出す
売主が、不動産業者など課税業者ではれば、売買価格に消費税が書かれているはずです。
消費税は土地にはかからず、建物のみかかりますから、逆算することで建物価格が割り出せます。
消費税が8%の場合は、以下の計算式になります。
消費税 ÷ 0.08 = 建物価格
なお、平成元年4月1日~平成9年3月31日までに取得したものは、消費税が3%。
平成9年4月1日~平成26年3月31日までに取得したものは、消費税が5%になります。
不動産を取得したときの消費税率で計算するようにしましょう。
3.固定資産税評価額や相続税評価額から割り出す
もっとも一般的に行われている方法は、固定資産税評価額の土地と建物の比率から、建物の価格を割り出します。
例として、以下の物件を売買したとします。
- 売買代金:1,200万円
- 土地の固定資産税評価額:600万円
- 建物の固定資産税評価額:400万円
固定資産税の評価額は、「土地 : 建物 = 6 : 4」になっています。
売買価格1,200万円を6:4に分けると、土地が720万円、建物が480万円になります。
4.建物価格から算定
国税庁が出している「建物の標準的な建築価格表」から建物価格を計算し、それから減価償却費を差し引いて割り出します。
5.公示価格から割り出す
土地の公示価格や路線価から土地の価格を割り出します。
そして、売買価格から土地価格を差し引いたものが建物価格となります。
これは、建物残余法と呼ばれています。
以上、「不動産売買における土地と建物を按分する方法」でした。
参考になれば幸いです。