拒否のイメージ写真

あまり知られていないことですが、不動産の売買にも”条件を満たせば”クーリングオフがあります。

“条件を満たせば”がポイントであり、全ての取引に適用されるわけではありません。

では、どのような条件を満たせば、クーリングオフが適用されるのでしょうか?

このページでは、元不動産営業マンが「クーリングオフ」について語りたいと思います。

クーリングオフができるための条件

以下の条件を全て満たせば、クーリングオフが適用されます。

特に重要なポイントは、「売主」と「申し込み・売買契約をした場所」の2点です。

売主が宅地建物取引業者であること。

売主が、宅地建物取引業者であることが条件です。

宅地建物取引業者は法人が多いですが、なかには個人でされている方もいらっしゃいます。

その場合も、宅地建物取引業者には変わりないので、適用されます。

適用外の例

売主が個人の場合(宅地建物取引業者ではない場合)は、適用されません。

売主が知識の無い一般人なのに、クーリングオフが適用されていれば、かわいそうだからです。

また、買主が宅地建物取引業者の場合も、適用されません。

宅建業者は既に不動産の知識がありますので、適用外となります。

宅地建物取引業者の事務所以外で申し込み(売買契約)をしていること。

宅地建物取引業者の事務所以外で、申し込み(売買契約)をしていることが条件です。

事務所以外とは、例えば喫茶店やレストラン、ホテルなどが、これに当てはまります。

その場所が、冷静な判断ができる場所かどうかが問われます。

買主の自宅や勤務先は事務所以外にはなりますが、「冷静な判断ができる場所」とされています。

しかし、宅建業者から申し出て、買主の自宅や勤務先で申し込みをした場合は、クーリングオフが適用されます。

逆に言うと、買主自ら申し出て、自宅や勤務先で申し込んだ場合は、適用外となります。

売買契約をした場所よりも、申し込みをした場所が優先される

例えば、レストランで申し込みをして、事務所で売買契約を結んだ場合は、クーリングオフが適用されます。

あくまで、申し込みをした場所が優先されます。

申し込みをしなくて売買契約を結ぶケースもありますが、そのときは売買契約を結んだ場所が問われます。

物件の引渡しを受けてなく、代金全額を支払っていないこと

物件の引渡しを受けてなく、売買代金全額を支払っていないことが条件です。

既に物件の引渡しを受けて、売買代金全額を支払った場合は、適用されません。

クーリングオフができるのはいつまで?

クーリングオフの説明や方法を、書面で告げられた日から8日以内であれば、クーリングオフができます。

例えば、申し込み時に説明を受ければ、その日が起算日となります。

契約時に説明を受けたのであれば、その日が起算日となります。

もし業者が説明しなかったら?

もし業者が説明しない場合は、永久的にクーリングオフができるようになります。

したがって、説明しない業者は、まずいません。

クーリングオフのやり方

クーリングオフをする場合は、書面にて行う必要があります。(宅建業法 第三十七条のニ 2)

不動産業者に連絡をすれば、書面を送ってくるケースがあります。

もし、書面を送ってこない場合は、内容証明を送りましょう。

郵送した時点で、効力が発生します。

ハガキも書面にはなりますが、「届いてないよ」と言われるのを防ぐためにも、内容証明が好ましいです。

クーリングオフの期間が過ぎた場合

クーリングオフの期間が過ぎたとしても、決済・引渡しの前であれば、契約の解除はできます。

しかし、お金が発生してきます。

手付金を放棄する「手付解除」や、違約金を支払うことによって、契約を解除することができます。

 

以上、「不動産の売買にも条件を満たせばクーリングオフがあるよ!」でした。

参考になれば幸いです。