契約書 印鑑 イメージ写真

媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任場会契約の3種類があります。

では、それぞれの宅建業法で決められている有効期間は、どのくらいなのでしょうか?

このページでは、元不動産営業マンが「媒介契約の有効期間」について、語りたいと思います。

有効期間

宅建業法では、一般媒介契約には制限がありません。(宅建業法 第三十四条のニ)

それに対して、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、3ヶ月を越えることができません。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

一般媒介契約の場合

一般媒介契約には、契約期間の制限がありませんが、無期限ではありません。

よくWEBサイトを見ていると「無期限」と書かれていますが、あれは間違いです。

なぜなら、媒介契約書には有効期間を書かなければならないことになっているからです。(第三十四条のニ 四)

国土交通省が定めた標準媒介契約約款では、3ヶ月を超えない範囲で決めることになっています。

そして、実務上でも、一般的には3ヶ月で契約されています。

しかし、もし特約で3ヶ月以上の有効期限を定めたとしても、法律では制限が無いため、有効となります。

契約期間の更新

一般媒介契約の場合は、特約で自動更新をすることができます。

専任媒介・専属専任媒介の場合

専任媒介・専属専任媒介の場合は、契約期間が3ヶ月を超えることはできません。

もし、3ヶ月を超える契約期間を特約で定めたとしても、3ヶ月になります。(宅建業法 第三十四条のニ 4)

もちろん、3ヶ月を超えることができないわけですから、2ヶ月でもかまいません。

実務上では、一般的に3ヶ月で契約されることが多いです。

契約期間の更新

専任媒介・専属専任媒介は、自動更新ができません。

依頼者からの書面による申し出が無いと、更新できないことになっています。

一般的には、契約の期限が近くなると、不動産業者から更新に関する連絡があります。

それに承諾すれば、不動産業者から書面が送られてきますので、それに署名捺印して更新します。

途中解約はできるの?

依頼者の何らかの事情により、契約期間中に解約せざる終えない状況になったとします。

そういう場合、3ヶ月が過ぎなくても解約することはできます。違約金や損害賠償などは発生しません。

ただ、専任媒介・専属専任媒介の場合は、売却活動に使った広告費を請求される可能性があります。

実際は請求されないことがほとんどですが、不動産業者には広告費を請求する権利があります。

したがって、「やっぱり売るのや~めた!」みたいな簡単な理由を言うのではなくではなく、きちんとした理由を言って、不動産業者に納得してもらいましょう。

そうすることで、トラブルなく解約することができます。

もし広告費を請求されたとしても、一般的な居住用の不動産であれば、数万円程度だと思います。

不動産業者がルールを守らない場合

もし、不動産業者が媒介契約のルールを守らない場合は、無知なのか悪徳なのか、どちらかでしょう。

そのような不動産業者は信用できないので、それを理由に解約しましょう。

不動産業者がルールに従って業務を行っていないのであれば、すぐにでも解約できます。

もちろん、違約金や損害賠償は発生しません。

そして、信頼のおける不動産業者に乗り換えましょう。

 

以上、「媒介契約の有効期限は?自動更新されるの?」でした。

参考になれば幸いです。