アパートなどの賃貸住宅に住んでいて、他の部屋の家賃が、自分の部屋の家賃よりも安いケースは多々あります。

そのような場合、値下げ交渉は出来るのでしょうか?

結論から言うと、その家賃で契約しているので、大家さんは値下げをする義務がありません。

しかし、状況によっては応じてくれる場合がありますので、駄目もとで交渉してみても良いと思います。

このページでは、元不動産営業マンの私が、家賃の値下げ交渉について語りたいと思います。

 

契約時の家賃が基本

他の部屋の家賃が、自分の部屋の家賃よりも安いといったケースは多々あります。

例えば、10年前に家賃5万円で契約して住んでいるけど、現在、同じアパートの空室が家賃4万円で募集されているケースなどです。

一般的に、賃貸住宅は古くなればなるほど、家賃を下げないと借り手が付きにくくなります。

でも、それだと現在入居者している方は、不公平に感じますよね。「家賃を値下げしてよ!」と言いたくなると思います。

しかし、部屋を借りるときに、お互いその家賃で納得して契約しているので、大家さんは値下げする義務がありません。

したがって、他の部屋の家賃が下がったからと言って、自分の部屋の家賃は基本的に下がりません。

もし納得がいかなければ、引っ越しましょう。

入居者としては、長く住んであげているのに家賃が下がらないとなれば不満だと思います。しかし、契約書どおりのことなのです。

 

家賃交渉はしていいのか?

だからといって、その理由を元に家賃交渉してはいけないのかと言うと、そうではありません。

私が管理会社に勤めているころ、このような話はよくありました。管理会社にとって、珍しい話ではありません。

なので、私の見解になりますが、駄目もとで交渉するだけしてみましょう。

私が勤めていた管理会社では、交渉は基本的には断っていましたが、状況によっては相談にのることもありました。

それは、以下のような状況のときです。

 

空室が何部屋もある場合

そのアパートに空室が何部屋もある場合は、家賃を値下げしてくれる可能性が、少しは高くなります。

大家さんにしてみると、もし、値下げを断ったことにより入居者が退去してしまうと、さらに空室が増えて困るからです。

交渉するときは、「もし家賃の値下げが無理であれば、引っ越すこかもしれません。」くらいのことを言うと、応じてくれるかもしれません。

「今の家賃だと生活が苦しい・・・」と涙ながらに、情に訴えるのも一つの手かもしれません。

しかし、駄目と言われば駄目なので、そのときはあきらめましょう。

 

大家さんが怒って、追い出されるこことはあるのか?

もし、交渉したことによって大家さんが怒り狂ったとしても、追い出されることは無いと思います。

そうなれば、「立ち退き」の話に変わってきます。

入居者は、借地借家法により、ある程度保護されています。

立ち退きとなれば、正当な理由が必要です。家賃交渉がむかついたことが、正当な理由にならないでしょう。

かといって、交渉しまくるのもよくないです。気持ちよく生活するためにも、断られたらあきらめましょう。

 

以上、「賃貸で他の部屋の家賃が安い場合、値下げ交渉は出来るのか?」でした。

参考になれば幸いです!